ひとつずつ

私のアトピーの経緯とブドウ球菌が体中から消えるまでの経過を綴っていきます。

皮膚科の先生が教えてくれた「薬の塗り方」

脱ステ当時は「ステロイドは塗ってはいけない」という所謂「脱ステ脳」だったので何か月もブドウ球菌を浸出液と信じて放置していました。あの時は毒だしの一環と信じきっていた結果、特に手はもう使えないくらい悲惨な状態になってしまいました。
このままではまずいと思った私は「脱ステ<とりあえず治したい」という思いにシフトし、皮膚科に駆け込みました。この時駆け込んだ皮膚科の先生が初めて私の患部を「とびひ」と診断してくださいました。先生は丁寧に診断してくださった後、処置室で処置をしてくださいました。
先生は消毒液のついた綿で患部を消毒した後、めちゃくちゃ大量に容器からヘラのようなものでステロイドと殺菌作用のある軟膏を順番に塗って処置をしていました。正直ステロイドの副作用を知っている身からすると初めはギョっとする量でした。が、もう治るならなんでもいい、これが一時的なものであってもかまわない、と私の精神は限界を超えていたため、その処置を受け容れました。
さてたっぷりと薬を塗ったらその上からガーゼをあてます。そして包帯で丁寧に巻いていきます。
これで処置は完了です。出来上がった手はミイラ状態でした。これを朝起きた時と夜寝る前の2回繰り返し1週間後又来てくださいと言われました。
手は来院当時見るに堪えない姿だった為、1週間ではまだ治らないと思っていました。
しかしステロイドが強力だったことと塗り方、処置がよかったためか2日で汁がとまり、4日目には弱弱しいですがしっかりと皮膚を取り戻しました。
そのあと頻度を1日一回、2日に1回と徐々に減らし合計2週間くらいで脱ステロイドに踏み切りました。
これだけ強いステロイド、治ったはいいけどとんでもないリバウンドがくるのではないかとひやひやしていました。
しかし1週間、2週間、ついには1か月経っても特に大きなリバウンドは起こりませんでした。むしろステロイドの副作用で薄くなっていた皮膚が日を追うごとに厚くなり、2カ月後くらいには本来の手に戻っていたのです。
このことからわたしは今までステロイドを使って治らなかったのは弱い薬をちびちびと怖がって使い、炎症の炎を完全に消化しきれていない状態でやめて再発を繰り返し結果依存していたこと、そして菌にアプローチせずに炎症をただ抑えることに着目していたことが間違っていたことがわかりました。
又、この皮膚科の先生が行っていた「ガーゼをあてて包帯を巻く」という一見「やりすぎでは?」という行為がとても理にかなっているなと思いました。いままで薬を塗ると乾くまで時間もかかるし、ぐりぐりと「刷り込ん」だりしていました。しかし軟膏で柔らかくなった患部はちょっとした刺激で痒くなってかいてしまったり、薬が取れてしまったり・・・振り返ってみると薬そのものの効果を発揮出来てなかったのだなと感じました。なので包帯を巻くことで外部刺激が減り痒みが起こりにくくなること、薬が取れる心配がないことなどのメリットが挙げられることから私の患部は劇的に良くなったのだと確信しました。
ちなみにステロイドを離脱する際も、この「ガーゼ+包帯」だけは1週間くらいは続けると再発しにくかったです。私の場合患部がものすごい炎症を起こしていたのでステロイドで治った当時は「薄皮一枚」という言葉が最適なほどとても弱弱しくも辛うじて皮膚ができた。というような状態でした。この状態で別の痒い所を掻いてしまったりすると擦れで指の甲が再発してしまうこともありました。なので少なくとも治った直後はガーゼをあてて包帯をしばらく巻いていたほうが私の場合は少ないリバウンドで離脱ができたように思います。